さむのはてぶろ

テレビの感想とか書くやつ

2018/12/01(2) あやし草紙 (演劇集団よろずや)

■観てきた舞台

演劇集団よろずやさんの『あやし草紙』

@大阪天王寺 浄土宗應典院 本堂

2018/12/01 16:00~

あやし草紙 | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

 

■感想

初めましての劇団さんでした。

観劇の理由はチラシにあった今公演の概要でしたね。サスペンスっぽくて面白そう。でもあんまり日本史わかんない。そんな葛藤があるまま應典院に乗り込みました。

 

結果から言うと、非常に面白かったですね。サスペンスであることは当たってました。でもそこじゃないことが全然違っていました。

何が違っていたか。日本史の知識が不要ということですね。誰が生きていたとか、柳田國男さんって誰?とか、時代背景のお勉強とか、そんなん全く不要。ただひとつだけ目を通しておいておくべきなのが、アンケート用紙などと一緒に開演前に頂戴できる「解説」と書かれたペラ資料。私は開演前は情報を積極的に入れないポリシーを持っていますが、流石に今回は何も分からんということで「解説」を読んだのが正解でした。これのおかげで「誰やねん この人は」という邪念による集中の妨げが減ったのが功を奏しましたよね。

うだうだ書いたのですが、評伝劇ベースということを除けば、普通に面白いサスペンスでしたね。ドラマと言えばサスペンスぐらいしか観ない私でも楽しめました。また別のストーリーの捉え方として登場人物の濃さがありましたね。10名以上という小演劇にしては割と大所帯の座組ながら、一人ひとりの物語がちゃんと描かれていて(サスペンスという性質上当然かもしれませんが)。終演後、気が付いたらお腹いっぱいになってましたよね。幸せ。

 

あとは、上手く言葉に出来ないんですけど、感心したから書いておきたいことがあって。脚本・演出の妙なんですけど、舞台上に出てる役者さんがモブに切り替わったタイミングで、ヒソヒソ話とかする時に本当に何かのセリフを発してるんですよね。例えば上手にスポットライトが当たって、下手の数人に光が当たらない時に、その下手の数人も何か喋ってて。そういう演出ポリシーなんでしょうか。

 

■気になった役者さん

座組全員に言えることですが、会話劇なのでセリフの量も凄まじいのに、噛む回数がほぼ0でしたよね。後半にどなたかが1回あったぐらいで。これは本当に凄かった。

 

折口信夫役、赤穂神惟さん。上手かった。赤穂さんの演技によって描き出された世界観が溢れている中で、素知らぬ顔で笑いを取っていく所なんか本当に素敵でした。

柳田國男役、寺田夢酔さん。役柄上当然かもですが、それでも痺れるぐらい格好良かったですね。大人の余裕が漂ってきて、今までの他のお芝居では拝見したことのない感覚。

松井須磨子役、竹田朋子さん。格好が凄かったすね。私も前方中央という一番衣装の凄さが堪能できる場所に偶然にも陣取ってたので迫力も一入。

波多野秋子役、鈴木ありささん。声は大丈夫だったんでしょうか? 何とか最後まで持ってよかったです。

小山内薫役、森光冬さん。お芝居が濃厚で惚れる。

伴林警部補役、川村和正さん。座組で唯一存じ上げていた方。それでも出会いが「あきたらず」だったのでお芝居は初めて。コントっぽくやりはるのかな?と勝手に思ってたけど全然役者さんでした。クセと笑いのある、観客の心の拠り所。結構好きでした。

 

■まとめ

千穐楽がまだなので核心を用いながら書けずに歯痒いのですが、面白い作品というのは確実に言えることですね。客層のご年齢も高めで、演る方も観る方も大人の芝居だったように思います。

そう言えば「オー・マイ・リョーマ」もよろずやさんの作品だったんですね。演劇をちゃんと観始めようかという時期で、気にはなったけど歴史苦手さんなのでスルーしちゃったなあという記憶が蘇ってきました。ただこれからはそんなことはしないはずです。なぜならよろずやさんの作品だから、ということで。

また一つ、観劇の幅が広がって良かったです。ありがとうございました。

2018/12/01(1) 3人芝居クリスマスケース[パープル] (劇団「劇団」)

■観てきた舞台

劇団「劇団」さんの『3人芝居クリスマスケース』

@大阪心斎橋 ウィングフィールド

2018/12/01 12:00~ ※パープルチーム

3人芝居×9チームで上演、劇団「劇団」の「3人芝居クリスマスケース」 - ステージナタリー

 

■感想

この舞台の企画が発表されたのが10月頃でしたっけ。企画の内容や演者さんの顔ぶれを拝見して、出てきたのはただ一言、「ヤバい」。チケット発売日にはもうちゃんと予約してましたよね。

何せ楽しみだったのです。まずゲキゲキさんなのでストーリーにハズレはないだろうと。役者さんも魅力的な方ばかり。そこに加わる「クリスマス」感。残念ながら私もリア充ではありませんが、隣の芝生は青いとよく言ったものですよね。

今日という日をどれだけ待ち焦がれたことか。

 

前置きが長くなりました。すみません。感想をば。

「こうであってほしいな」という期待に全て添ったような、とても素晴らしい作品でした。普通に笑える。分かってても泣ける。演者さんの魅力をたっぷり感じられる。観に行かない理由がない。そんな感じです。

受付で、公演チラシと共に相関図っぽいやつが貰えるんですよね。それを元に言うと、一番右下の所かな。そこの人達に関するくだりが一番泣けましたね。上演時間100分の中でそこまで大きな尺でもないのですが…。一言で表すなら「感謝」ですね。そこの描かれ方が好きでした。

 

■気になった役者さん

気になったも何も三名しかいないので、お一人ずつ。

男性パート、金哲義さん。お芝居は初めまして。男性パート9名の中で最年長だそうですが、パワフルでしたね。終演後だとシャツの面積の6~7割が汗で濡れてらっしゃいました。格好良い役はどれもスマートで格好良いんですけど、前述の「泣けた」キャラはそれとはまた別であり、座長の実力をまざまざと見せつけられた次第です。

女子パート、栗田ゆうきさん。初めまして。全ての役にアジャストされてて、その演技力は圧巻でした。ただやっぱり個人的な思い入れのせいか、泣けたシーンのキャラが一番だったですね。あのシーンの表情が何とも好きでした。

男子パート、中路輝さん。三度目まして。今まで拝見した「思い立ったら吉日」「大泥棒-O dorobow-」の両方ともお笑い要員に近い役だったですが、今回は当然メインでガッツリ。中路さんの演じる明るいキャラは大好きなのですが、最もハマってたのは「自信が持てない元ヤン」だったかなあと思いました(キャラ名は公式Twitterより引用)。ポジティブ・ネガティブの違いはありますけど、中路さんの熱いお芝居はよいですね。

 

パープルは特に手練れが揃っているせいか、開幕戦に相応しく層の厚い良いチームでしたね。これが100点満点で採点しながら公演が進むのであれば、後のチームはとてもやりづらくなるのでは。「最初だからこそ」すげーというのも多分にあるとは思いますが。どうであれ観られてよかったです。

 

■まとめ

いよいよ始まったロングラン公演。その一発目を拝見できただけでもラッキーなのに、ケラケラ笑いボロボロ泣いてワイワイ楽しんで、ここまでさせてもらって本当にいいの?と観客が恐縮するぐらいの充実した公演でした。

それに加えて、観劇している途中、ストーリーに入り込みつつ、「この役を○○さんもやりはるんよね。楽しみでしかないやんか」というワクワクも湧き出てしまう、稀有な体験をさせてくださったゲキゲキさんには本当に感謝です。ストーリーは何となく頭に入りましたけど、同時に「憶えたところで これは飽きひんな」と思いましたもんね。もっと言えば、3人版が終わっても27人版がありますし。

都合が合わない時もあるので全てのチームを拝見することが叶わず残念ですが、まだ何回か別チームを観劇する機会もあるので、この一ヶ月は楽しみながら過ごすことができそうです。

大変かとは思いますがロングラン頑張ってください。ありがとうございました。

2018/11/24 INDEPENDENT:18

大阪恵美須町はin→dependent theatre 2ndにて「INDEPENDENT:18」を観てまいりました。24日の1日通し券で。

INDEPENDENT:18

 

本格的に観劇を始めたのは今年からではありますが、その今年一番お世話になっているであろう劇場で開かれる大イベントが面白くないはずない。その単純な考えだけで観劇してきました。もちろんINDEPENDENTも初参加。

楽しかったですね。何もかもが。上演される演目も、INDEPENDENTというイベントの空間も。こっちのやってることはいつも通りで、チケット予約して時間になったら劇場に行って椅子に座ってお芝居観て演者さんにご挨拶してアンケートに感想書いて帰るだけなんですけどね。それなのに楽しさはいつも以上。

それだけイベントが洗練されてるんでしょうね。シンプルに、盛り上がることしかやってない。DJもVJも、そしてお芝居も。イベントとして完成形の、一番脂の乗っている時期から参加させていただいて、有り難いやら申し訳ないやら。DJも、14時ブロックの開場~開演に流れていた曲なんかほんと良かったですね。セットリストがマジでほしいぐらい。

 

以下、作品の感想を、上演順に、そしてTwitterに書いた内容と重複しつつ。

24日のみ観劇のため「ミヤコワスレナイ」(t2)だけは観劇が叶いませんでした…。

[t1] 「きみとわたしとクライマックス」
出演:江本真里子×脚本・演出:竜崎だいち(羊とドラコ)

のっけの作品から大泣き。それは一日持つか心配になるほどに。

息子を「きみ」とお呼びになっているのがまた良いですよね。母と子の関係性がメインのストーリーなのに、あえて名前じゃなく漠然とした感じに描いてらっしゃって。近くない距離感を感じ取ってしまって、それがまた泣けるのです。

[c] 「ずんだクエスト」 from 仙台
出演:菊池佳南(青年団 / うさぎストライプ)×脚本・演出:山田百次(ホエイ / 劇団野の上)

 「きみとわたしの~」とはまた別のヤバいやつ。脚本・演出も役者も。

最初、暗転で声が聞こえた時は、声優さんかなって思うぐらいの良い声で「おっ」って思うんですよね。思うっていうか惑わされるっていうか。で、それが明転になって「騙された!」となっちゃうぐらいには、とんでもないものを30分観させられましたね。いやもうほんとに好きでした。

ツッコミどころも満載で。一人舞台だからただただボケっぽい爆弾を撒き散らして走り去っていくので、ボケとツッコミの国に住む者としては歯痒くも嬉しいばかりで。特にヲタ芸を始めた時は「アイドルのお前がやるんかい!」ってなんぼほど言いたかったことか。自分の袖やずんだも踏んづけるし。モヤモヤ。

関西でこのずんださんのフィジカルに匹敵するのは彗星マジックの米山真理さんぐらいなんじゃないでしょうか。

[i] 「パレード」 from 名古屋
出演・脚本・演出:宮谷達也(演劇組織KIMYO)

前演目からの転換が上手く行かなかったのかな? 舞台上にね、ずんだが転がってるんですよね。「パレード」という作品は赤がテーマカラーなのに、いくつかの緑が転がってるんですよね。宮谷さん自身も驚いてらっしゃいましたよね。

元々は女性がやる演目だったようで、そのバージョンも観たい作品かなって思いました。たぶんその方がしっくり来るかも。宮谷さんがおやりになるのはある意味正解なんでしょうけども。デモテープそのままっていう意味で。

[j] 「貝独楽行進曲」
出演:村井友美×演出・脚本:戒田竜治(満月動物園)

最後ですよね。物語もそうですが、プロジェクションマッピング的なものと村井さんの舞の融合が本当に綺麗で、前二組のとんでもないものを見事にクリアして14時ブロックを締めてくださいました。

[h] 「薔薇の手紙」 from 宮崎
出演・演出:濱﨑けい子(二人の会)×脚本:藤井貴里彦

手紙を元にした一人喜劇。最初ぐらいかな、笑いの取り方が、手紙そのものじゃなくて、濱﨑さんの合いの手というか文章の合間に挟まれる独り言なんですよね。確かに手紙の内容は普通で、そこに笑いを入れようとするとそうなるかっていう感心がありましたよね。

あとはアルコールも手伝ってどんどんおかしくなっていく。酒を飲んで茶道におやりになるというのは、今考えたら有り得なくて、もっと笑っておけばよかったなと後悔。

[b] 「コルチカム」
出演:川添公二(テノヒラサイズ)×脚本・演出:野村有志(オパンポン創造社)

野村さんの作品は今回が初めてでした。素敵でしたね。なんというか、スマート。男っぽくてシュッとした作品だったように思いました。

そんな中でパンフレットにある野村さんのコメントを拝見すると、川添さんへの想いが大きくありそうな感じ。だからスマートに見えたのかな。

[a] 「母とおかあさん」  from 東京
出演・脚本・演出:川久保晴(露と枕)

ええおっさんなのに涙を流した作品が二つありまして。一つは前述の通りですが、もう一つはこちらでした。方方で絶賛されているのも納得。

序盤はシステムに乗じてどんどん笑いを取っていく技巧派。しかしどこかでそのシステムをわざと崩壊させるんですよね。繊細に心情を表現する方に移行して、最後もうボロ泣き。

出だしが橋カンさんのハナクソコントを彷彿とさせるものだったのでこれもそれ系か?と頭を過りましたが、全然違いましたね。凄かった。

[e] 「穴」 from 沖縄
出演:ジョーイ大鵞(劇団ビーチロック)×脚本・演出:新井章仁(劇団ビーチロック)

これはもう、爆発的に面白かった。タクシーのくだりに代表される、演劇レベルじゃない爆発力の笑い。2ndが揺れてましたよね。何本も観たい。

19時半ブロックって、この作品以外では是常さん・中川さん・希蓉美さん&ROB CARLTONという関西勢オンリーで、おそらくコメディ・お笑い成分しかないんやろなと思ってたなかで見知らぬこの作品もそっち方面かってのが分かった瞬間、もう今日は笑うだけかと思い楽しくなりましたよね。(勿論泣けるのも好きです)

[d] 「引くな、引くなよ」
出演:是常祐美(シバイシマイ)×脚本:室屋和美(劇作ユニット野菜派)×演出:大沢秋生(ニュートラル)

好きな作品だからこそ、あえて引用と簡単なコメントで済ませてみる。

 『是常さん室屋さん大沢さんは変態』

[f] 「仕事の流儀」
出演・脚本・演出:中川浩六(三等フランソワーズ)

ド直球の創作落語。元々は二人芝居だそうですが、でもこっちの見せ方が合ってた気がするぐらい、ちゃんとした落語。まあ、二人芝居の方は観たことございませんが…。

落語の途中で転換?のトーク的なくだりがありましたよね。一旦落語本編を抜けて解説みたいな時間。それが新鮮でしたよね。その解説ありきの構成になってて必要不可欠になってたから余計に新鮮。

落語本来のサゲも効いてスッキリ終わりましたよね。INDEPENDENT:18というイベントにまた深みを持たせるような作品でした。

[g] 「三代目姐御」
出演:西原希蓉美(Shunshun's / 満月動物園)×脚本・演出:村角太洋(THE ROB CARLTON)×音楽:村角ダイチ(THE ROB CARLTON)

いや、面白かったんですよ。面白かったんですけど、 反則スレスレというか。THE ROB CARLTONがいないけどいるんですよね。ボブ・マーサムさんや村角ダイチさんがいつ出てきてもおかしくない。何なら舞台上に出てきてたんちゃうかな。幽霊なら見えへんし。良く言えば「チームプレー」という言葉が一番似合う一人芝居でした。

内容は「ただただ何をやっとんねん」というやつ。エンディングの歌と映像はその極みでしたね。流石という他ない。セットも謎で、蝶番付きの欄間っぽいやつとかね。よく考えたら有り得ない。キャスター付きの棺は、持ち運びがあら便利。

印象的だったのが、葬儀当日のシーンで、少し長めの口上を一切瞬きせず演じきる希蓉美さんですね。眼力が元々あるのにさらにカッと見開いて迫力しかなく。こちらも何故か目を見開いて応戦しましたよね。勝負にならなかったですが。

 

自分のTwitterの引用だけで済ませようと思ったけども、書き始めたら全然そうはいかなかったですね。やっぱりどの作品も面白かっただけに。

来年も必ず観劇したいと思わせてくれた、そんな素晴らしい一日でした。本当にありがとうございました。 

2018/11/23(2) 超速!大陸横断鉄道! (劇団FUKKEN)

大阪恵美須町はin→dependent theatre 1stにて、劇団FUKKENさんの「超速!大陸横断鉄道!」を観てまいりました。11/23 19時開演分。

『超速!大陸横断鉄道!』 | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

 

腹筋善之介さんの劇団。腹筋さんのお名前は聞いたことあるけど、実際どんなお芝居をおやりになるかは知らない。だったら行ってみよう、ということでお伺いしました。この夏の大田王ではなく、まさかインディペンデントでお見かけするとは。

上記リンクより引用。

次々に起こる奇想天外な事件を通し、
世界の人種問題、所得格差などを、
超速で走る列車の中で考えなければならない、
ギリギリファンタジー&ギリギリ社会派・ストーリー。

引用の通り、ちょっと勉強ができないと難しいお話だったかもしれません。私もお恥ずかしながら勉強ができる方ではないので、実際に観劇して打ちのめされました…。ただそもそも「考える」という能力を引き出すことが難しいお芝居でしたね。なんてったって「超速」だから。

とにかく速いんです。まあまあ、パニックムービーなんです(ムービーではないんですけど)。全てを駆使して速くしてるんです。ストーリーや展開は勿論、観客の視覚を錯覚させるかのような演者の動作、1stにこんな機材あったんやっていう回転する照明など。特に演者さんは負荷が大きいんでしょうね。思う通りに行かない場面もあったのではと察します。壱劇屋さんぐらいのフィジカル面で突出した方々がおやりになると なお映えたのかもしれません。

ただ、緩急がしっかり付いてた証拠に、最後の締めのシーンでは安堵して目が潤みましたね。大きく感情移入できるキャラクターがいた訳でもないだけに、よっぽど揺さぶられたんでしょうね。

 

演者さんについては、「どなたかが突出して」ではなく座組全体のチーム力を見たという印象でした。強いて言えば、風の圧力で顔がベーっと伸びるシーンですかね。それを単純に掌で顔を引っ張って表現されていて、皆さん当然引っ張ってらっしゃるんですけど、ツェ・トゥロー役の宮本有賀さんだったかな、120%ぐらいの勢いで引っ張るんですよね。女優さんにそこまでしていただいて、観てるこちらが申し訳ない感じに襲われました。良い顔には違いなかったですが!

 

開演前は、腹筋善之介さんが直々に登場されて、上演中の注意事項説明や前説トークをおやりになっていました。時間にして10分ぐらいでしたっけ。注意事項説明の後は、観客を適当に指名して質問を引き出して応えるというのを2~3回。1stの規模感ならではの好イベントでしたね。最後には「いつからツルっとされているか」という忌憚のないご質問まで飛び出して、それはそれは充実した前説となっていました。

前説もいつもと違ったのですが、他の観客の方もいつもの1stとは違う感じだった印象を受けました。例えば、1stって2Fロビーに机があって、他の劇団さんだと終演後に「2Fに机あるからそこでアンケート書けるで」的なことを促すから、私はいつもと同じノリで一目散に2Fに行ったんですけど、他にそこでアンケートをお書きになる方が全くいなくて驚いたりとか。みんな2Fの机がガタつくの知ってるからなんかな。他にも、2Fで面会やるのはいつも通りなんですけど、誰も演者さんと写真を撮ってなくて(偶然そんなタイミングだっただけ?)。今までの観劇環境が「面会なんか絶対写真撮るもんやろ」って感じだったから密かにカルチャーショックでした。こっちなんか腹筋さんとなんぼほど写真撮りたかったことか。無論、何が一番良いかってのは無くて、劇団さんの客層があるんだなぁということを感じました。

 

アンケートの質問項目から勝手にそう読み取ったんですが、劇団FUKKENさんは今後はまた全然別のお芝居を企画されるんですね。手練の方々がお作りになるお芝居はやっぱり興味がありますのでまた観劇したいです。ありがとうございました。

2018/11/23(1) ハマったら出られなくなりまして (無名劇団)

浄土宗應典院にて、無名劇団さんの「ハマったら出られなくなりまして」を観てまいりました。11/23 13:30開演分。

テーマは自己喪失、無名劇団「ハマったら出られなくなりまして」 - ステージナタリー

無名劇団のハイテンション躁鬱喜悲劇「ハマったら出られなくなりまして」幕開け - ステージナタリー

 

初めましての劇団さんでした。観劇の理由はストーリーに惹かれたからですね。しかし軸となる「アイデンティティクライシス」というキーワードは終演後のアフタートークで初めて耳にしたかも。チケットを申し込んだ時は「単純に人が追い詰められる様をコミカルに観られるのなら観たい」ぐらいしか考えてなかったような気がします。

 

おもむろにナタリーさん記事(後者)を引用。

演出を手がける同劇団の座長・島原夏海は開幕に際し、「周りは私のことなんか気にしていないのに、私はいつも他人の目を気にして、他人を僻んで生きている。そんな病にかかっている自分を『面倒臭いねん』って、笑い飛ばしたくて、重いテーマを面白おかしく表現します。アイデンティティクライシスに陥る女を面白おかしく描く、ハイテンション躁鬱喜悲劇!」

何かにハマっている周りと、何にもハマれずアイデンティティクライシスという症状にハマっていた幸子。よいですね。話が終盤に差し掛かり、どんどん「沈んで」いってしまう幸子の描かれ方は、痛快な訳はなく、負の要素に取り囲まれすぎて逆に面白い。心は締め付けられるんですよね。自分も含めて二~三十代の方って多いんじゃないかな。血液型占いじゃないけど「そら誰しも当てはまるやろ」っていう要素の一つに最早昇格している現代病。そんな現代病を知って救われた!とは思わないですが、着目して笑い飛ばそうとしてくださった無名劇団さんには経緯を払うべきかと。

それとは別に、事前に情報はちょっとは入れていかないとダメだなって思いましたよね。何も知らない方が楽しめるはず!と信じて疑わず、今回もそのノリでお伺いして。で、うっすら涙が出る場面があったんですけど(終盤、由紀が亡くなってからママが幸子に謝る場面)、よくよく話の本筋を考えてみると泣くのはそこじゃないな感が凄かったんですよね。良い場面や演技であることには違いないんです。でも、なんか違う。今回は勉強になりました。

 

気になった役者さん。

幸子役、今井桃子さん。終盤の涙を流しながらの熱演。私は上手に座ってて、良い位置でした。演者さんが演技中に泣くのは本当にエモい。

勘助役、松尾充駿さん。よい明るさ、でも最後は不気味さもありつつ。そして、終演した後に元ビーフケーキということに気付く。遅かった。いい役者さんですね。

カンスケ役、泉侃生さん。変態感も良かったですが、カーテンコールでのジェスチャーゲームで敵ながら真っ先に回答してらっしゃったのが本当に本編の最後の世界観ぶち壊しで面白かったです。そういう意味ではゲストの金哲義さんもかなりの破壊王でしたけども。

亀吉・金魚役、東田萌希さん。声が好き!

 

何度も言うようですが初めてお伺いした劇団さんなんですけど、表方の運営に演者さんが加わっておやりになっているのが驚きでした。東田さんだったかな、開演前に動物メイクをした状態で物販コーナーにお立ちになってて。初めて見る人間からすると「これはええのかな?(ネタバレ的に)」と戸惑うんですけど、裏を返せば新鮮でもあって。開演前のバタつく時ですよ。頭が下がります。

衣装も凄かった。幼少期のメンバが妖怪をモチーフにした衣装で身を包んでて、それもめっちゃ手の込んだ格好でしたよね! 終演後のお見送りで加藤遥子さんが衣装とメイクのまま他の方のお写真に応えてらして、私も撮らしてもらえばよかったと後悔しました。

 

最後になりましたが、島原さんのTweetで好きな内容のものがあって、それを紹介して終わりにします。そら面白い作品になって当然ですよね。ありがとうございました。

2018/11/18 misty Swan (thoroughプロデュース公演)

大阪市立芸術創造館にて、thoroughプロデュース公演「misty Swan」を観てまいりました。11/18 12時の回です。

misty Swan | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

 

「蒼い刻」という三部作シリーズの第二部にあたる本作。第一部がどんな物語かを全く知らないまま、思い切って飛び込んでみました。一番の決め手はストーリーですね。何とも面白そう。コメディ探求者の私としてはちょっと主戦場じゃない気もしましたが、それほどストーリーに魅力を感じたということで。

 

感想ですが、素晴らしかった。想像通りに泣いてましたね。泣けるやろなーとは思ってたんですけど、上演時間2時間のうちの後半1時間ぐらいはずっと。ただ別に顔がぐちゃぐちゃになるほどでもないんです。表情はそのままで、でも涙が絶え間なく流れるやつ。

何が泣けるかって言うと「綺麗さ」ですかね。無駄の無い王道ストーリー、スマートに収束するラスト、豊かな登場人物、物語に彩りを添えるダンスパフォーマンス、照明、音楽、絵…。全方位からの綺麗さに包まれて、2時間が本当にあっという間に過ぎていきました。2時間ってこんな短かったっけ?っていう感じの。

何より、岡田由紀さん、槇なおこさん、中村るみさんのお三方が素晴らしかった。

Kay役の岡田さん。終始笑顔で快活、声量抜群で踊りが華麗。全てが豊か。何で今までこんな途轍もない役者さんを知らんかったのかと後悔すらさせられる、言葉通りの絶賛。

Lure役の槇さん。Kayとは真逆のトーンで発せられるセリフと、踊りや出で立ちから感じられる儚さ。最初に涙が溢れ出したのはLureとKakaのシーンだったかな。

Lille役の中村さん。一番驚いたのは後半の声量ですね。前半の役柄がコメディチックだっただけに。終盤一番泣かされたのは中村さんだったかも。

無論、座組の皆さんが素敵でした。個人的には佐々木ヤス子さんがお笑い寄りの役柄でご出演されてたのが意外だったかな。平宅亮さんとのお二人で一手に笑いを引き受けてらっしゃいましたね。そういう作品じゃないだけに素敵でした。

 

終盤の、Kayが飛び出していくシーン、青すぎて観てられなかった。いくら快活なキャラだったとしても。でもそこから度胸っていう女性の武器で切り拓いていく姿は、ある意味では成長記だったり。物語の着地が分からずドキドキもしたけど、ハッピーエンドではないながらも悲しみ一辺倒でない収束で、後味は悪くない。ただ第一部だとKayはもう亡くなってたのですね。そこは愕然となりましたが…。

第二部からの観劇でしたが、魅力溢れる作品だったので、飛び乗って本当に良かったです。第三部も楽しみです。ありがとうございました。

2018/11/17 騒々しい (三俣婦人会)

大阪千日前はTORII HALLにて、三俣婦人会さんの「騒々しい」を観てまいりました。11/17 19時の回。

三俣婦人会「騒々しい」“脳死”テーマに家族を描き出す - ステージナタリー

 

初めましてのユニットさんでした。前回のTORII HALLはThe Stone Ageヘンドリックスさんの「お前とお前は帰ってよし」で、そこからの続きですね。ストーンエイジさんの時にゴン駄々吉さんが表方をご担当なさってて、名札を見て「変わった名前の方だな~」と。で、ストーンエイジさんの公演が良かったので、じゃあゴン駄々吉さんの作品も面白いかと思って拝見してきました。何とも安直な理由ですね。

 

ナタリーさん記事を引用します。

第3回目の本公演となる今回は、“脳死”をテーマに家族の姿を描き出す。

テーマ的にも社会派っぽくて興味をそそられる内容なのかな、と。

そしたらば、全然想像と違いましたね。ただその方が良いとも思ってます。素人の想像通りに来られても…という話でもあるので。

なんてったって、テーマの「脳死」という単語が劇中にほとんど出てこない。終わってみればこれが一番凄まじいポイントな気がしましたね。その単語が出てこない代わりに、家族の一連の「騒々しさ」を加えて紛らわしてるもんだから、生き死にについてやってるのだな~というのは解るけど泣きたいという感情にはあまりならなかったですね。そこに上演時間80分ほどというちょうどいい長さ。何方かがTwitterで「ポップ」というご感想をつぶやかれていらっしゃってひどく納得しました。

正直な所、劇中の情報量が少なくて、ストレートに言うと「分かりにくい」物語でした。そんな中で個人的に感じたのは、この話は長女の成長記録でもあるのかなと。小学生ぐらいの子が体験する、身近な人の死って、それはもう大きなイベントだと思うのです。自分がそうだったので。小学生の何も考えてないぐらいの子が「次はこうしたい」っていう思いを抱けることがそもそも奇跡な気もしますが、死というのはそれだけ人を成長させる材料なのかもしれません。

 

演出は色々あって面白かったですね。飽きさせなかった。布を使ったり、マイクがマイクじゃなかったり、頭に銀杏があったり。TORII HALLがすごく広く思えました。

観客の座席もL字型だったりで。二次元じゃない座席って初めてで面食らったのですが、斜め向かいの他のお客さんの顔って割と気にならないものですね。

 

演者さんについて。話についてくのが精一杯だったので、申し訳ないですが簡単に。

母役、条あけみさん。なんか艶っぽい。

長女役、殿井歩さん。喋り方が無機質っぽくて、個人的には作品にマッチしてて好きでした。

次女役、九鬼そねみさん。最後が圧巻。あれで泣かはる方もいるんでしょうね。もっと話について行けてたら私も泣いてた。

三女役、岩切千穂さん。九鬼さんもそうだと思うのですが、小学生ぐらいの役だったんですね。でも小学生感出てましたね。

父役、秋月雁さん。高瀬さんの鼻を舐める人。

ツン役、高瀬和彦さん。父によって鼻のメイクが掃除されてもでもそのまま芝居を続けてらして、ひどく感心しました。

ノラ役、のたにかな子さん。艶っぽい その2。

彼氏役、松崎建ん語さん。ジュラルミンケースにソーセージが入ってたのは衝撃。

マストドンサウルス役・その他、ゴン駄々吉さん。ただただずるい役。ほぼのりおさんのオバQ。すね毛つるつる。

 

前述の通りストーンエイジさんの延長線のつもりで観劇しましたが、どっちかと言えば普通じゃないお芝居で、やられましたね。ただ楽しかったことには違いないです。「この人達は何をしてんねん」感もそれなりにあって好きなやつでしたし。ありがとうございました。次回も楽しみにしています。