さむのはてぶろ

テレビの感想とか書くやつ

2018/09/21 #サマータイムマシン・ワンスモア (ヨーロッパ企画)

ABCホールにて、ヨーロッパ企画さんの「サマータイムマシン・ワンスモア」を観てまいりました。

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先日は「サマータイムマシン・ブルース」に出会い、今回は幸運にもその続編も拝見するすることができました。会場でのフライヤーには上田誠さんの「「2」を作るのは初めての体験でした。」というコメントもあり、そんな人気劇団の「初めて」を観られたのも幸せな体験だったのかなと思います。

「ワンスモア」のストーリーを少しだけ、前述のナタリーさん記事から引用します。

その続編となる「サマータイムマシン・ワンスモア」は、タイムマシンが現われた“あの日の夏”からの15年後を描く。SF研究会の元メンバーたちと、隣のカメラクラブの部員たちは再びあの部室を訪れるが……。

個人的には「ブルース」を観て一週間も経ってないんですよね。しかし懐かしさに包まれてしまう。舞台上のごちゃごちゃとした感じ、タイムマシンを起動した際の演出、SF研究会の元メンバーなどなど。システムややってることのテイストは同じで、スケールが大きくなってましたよね。その中での「遊び方」が上手くなってたり、「ブルース」でも登場した要素が色濃く描かれるようになったりしてたからかな。

逆に言うと「ブルース」を観てないと楽しめる割合が100%にはならないですよね。分からないことも多々あったのもまた事実。というか『「ブルース」を知ってる前提』で作られてる気さえしましたね。シリーズものの作品があるとして、一般的には「初めてでも楽しめる、でも前作観てたらもっと楽しめる」というのが普通かなって思ってたんですけど、今回は「初めてでは厳しい、でも前作観てたらめちゃくちゃ楽しめる」っていう印象で。つまりマイナスに突き抜けるかプラスに突き抜けるかのどっちしかない。言い方を変えると「ワンスモア」を観てると「ブルース」を観る意義がどんどん大きくなってくる。2作目を観終わって「2作とも良かったよね~やっぱ」ってなる。良いやり方ですよね。

上演時間は3時間弱で、全部で二幕で休憩あり。「ブルース」で出てきたことを全部説明しない意味がここで分かる気がしました。逐一説明してると、お芝居のテンポが出ないのもそうだけど、そもそも上演時間が長くなりすぎるのでよくないという判断もあったのかなと。説明を端折っても3時間ぐらい掛かるのにっていう。二幕あるという点では、第一幕がまた良い所で幕切れになるんですよね。ああいう幕切れは好きですね。上田さんマジ小説家。何なら涙さえ出そうになった。でも第二幕の展開を知るとその涙は引っ込むんですけどね笑。全体の時間としてはあっという間でした。第二幕が特に短く感じるかな(そもそも第二幕の方が時間が短いはずだから当然なんでしょうけど)。

 

そう言えば演者さんの感想書いてなかった。

甲本役、中川さん。とあるタイミングでのタイムマシンの起動をする時の表情が凄い好き。特に色々振り回される甲本だからこそ、あの表情はとても面白くて好きでした。

小泉役、石田さん。とあるキラーワードがあって、それを何回言ってもウケてたのが印象的でした。

曽我役、永野さん。「ブルース」の時は大車輪の活躍でしたけど、「ワンスモア」ではちょっと落ち着きましたね。ただ爆発ポイントが無い訳ではなく、どれも「ブルース」を踏襲した流れのものだったので、やっぱり素敵でした。「グニャア」のくだりはタイムマシンを本当に知ってるかのようにリアル。

小暮役、酒井さん。ある意味では一番子供な感じで話に深みが出てましたよね。声も小暮っぽさがあってハマり役なんだなと。

新美役、諏訪さん。「こんなバカな大学生は腹が立つ」担当の一人目。フライヤーの上田さんのコメントに「20年たって成長を見せたい僕ら」とありましたが、小泉・新美・石松は逆に難しいのかなって思いました。それぐらいちゃんと青かった。

石松役、土佐さん。「こんなバカな大学生は腹が立つ」担当の二人目。石松関係ないですが、ケチャの顔ってTwitterのアカウントのあれと考えてよいのかな。

照屋役、角田さん。お芝居関係ないですが、若い頃の照屋にめっちゃ似てる人を見かけました。

柴田役、早織さん。本多さんと相対した時の演技がとても素晴らしかった。役柄でいうと、「ブルース」でごちゃごちゃしてた時の体験を元にした個人的に好きなセリフがあって 他のメンツではそういう発言をするキャラがほぼいないだけに、おいしい役だったですよね。

伊藤役、西村さん。ヅラは違和感なかったですね。標識のくだりがおいしくて羨ましかったです。

田村役、本多さん。前述の通り、第一幕のラストシーンがとても良かったです。

箕輪役、藤谷さん。藤谷さんも声が好きでした。コメディ向きというか。気になる女優さん。

聡太役、城築さん。もうひとりのおかっぱ。こういう若い子もまたいますよね。オタク系で隠れて異性にも隠れて感心があるような草食とは言い切れないタイプ。SF研究会のOBとはまた違うタイプの大学生がちゃんと演じ切られててよかったです。

蛭谷役、岡嶋さん。関西の人間が見ても灰汁の強い役柄だったですね。ステレオタイプな関西人。シラフでああいう人も今どき全く見かけないですけどね。しかしドギツさだけでなく闇っぽい面もちゃんと表現されてて、これもまた深みが出る要因の一つだったのかなと。

 

間違いなく名作でした。はやくDVD化していただきたいですね。ありがとうございました。まだ観てない方が羨ましい。