さむのはてぶろ

テレビの感想とか書くやつ

2018/09/29(2) #さよなら竜馬 (おうさか学生演劇祭×劇団壱劇屋×一心寺シアター倶楽 協同プロデュース公演)

大阪は一心寺シアター倶楽にて「おうさか学生演劇祭×劇団壱劇屋×一心寺シアター倶楽 協同プロデュース公演『さよなら竜馬』」を観てまいりました。9/29 19:00の公演ですね。期せずして千穐楽となってしまいました。

若手演劇人がマキノノゾミ「さよなら竜馬」に挑む、演出は壱劇屋・大熊隆太郎 - ステージナタリー

さよなら竜馬 | プロデュース | おうさか学生演劇祭

私は恥ずかしながら日本史が滅法弱く、そういった勉強から避けて生きてきました。今回舞台になった幕末もイベント的に何があったかはほぼ知らず。義務教育は通ってきたはずなんですけどね…。それでも観劇してきたのは壱劇屋さんの名前があったから。6月に観た「独鬼」でボロ泣きして、そんな時期に今回のチラシを見つけて、これはマストかなと。幕末はよく知らないけど、公演の謳い文句に「LOVE&PEACE全開の娯楽時代劇が始まる。」ってあるから大丈夫でしょうと。

公演はおよそ2時間半、休憩なし。壱劇屋さんが軸を成しているとは言え、よく考えてみたら導入が「独鬼」だっただけにそもそも声を知らない。そして幕末を知らない。大きい台風がすぐそこまで来てるのに、会場は自宅から結構離れた天王寺の、しかも結構入り込んだ所。動物園前駅から歩いてきたけどそれなりに怖かった。…みたいな諸々の不安があったんですけど、実際は素晴らしい作品でした!!

幕末という背景は分かんないので、史実と突き合わせた楽しみ方というのはどう頑張っても出来ませんでした。そういう意味では、舞台制作の方との共通認識は持てない訳です。眼の前で繰り広げられる光景しか評価がしようがない。それでも大満足でしたね。2時間半、全く飽きなかった。ダレる場所がなかった。それは幕末が多くの人を惹き付ける答えな気もするし、戯曲の偉大さや制作陣やキャストの方の力量が素晴らしかったのもあるはず。

飽きない理由の一つにエンターテインメント性がありましたね。戯曲が既にそうだったのか、大熊さんの脚色や演出がそうさせたのかは分かりませんが…。最も印象深いのはマスゲーム的なモブでしょうか。キャストの頭数もあったので色んな見せ方がありましたよね。終盤にあった竜馬と唯三郎を区切るモブの配置などは吃驚でした。舞台を斜めに区切るやつ。他には、これは超個人的な事情ですが、最前列で観劇できたせいか、キャストほぼ全員で舞台をぐるぐると円状に移動する時にどなたかの芳しい残り香がやってきたことですね。涼月さんが目の前を通った時だったかな。お兄さん方が生命の危機ほどの大量の汗をおかきになっていた中でのそんな一幕だったので変に感心しました。

先程は斜めの配置の話題をしましたが、サシとか少人数でのシーンも多かったですよね。ドタバタも含まれてはいるものの、概ね10分ぐらいの濃密な会話劇が何回か繰り広げられる。これは幕末知らなくても楽しいですよね。説明とかもないんです。竜馬と乙女のシーンなんかバリバリの土佐弁で付いていくのにも精一杯。でも揺さぶられるんです。そんなのがコンスタントに何回も。そら面白いわなっていう。勉強不足で存じ上げない役者さんばかりで、何なら現役の学生さんも混じってたんですよね。でもいい役者さんとたくさん出会えたのもまた事実。

 

気になった役者さんを。皆さん素敵でしたがあえてピックアップして…。

竜馬役、田中穂先さん。坂本竜馬のイメージって朧気ながらにあるんですけど、まさにそれを体現されていて、個人的にはすごいしっくりきて観やすかったですね。その上で、ちゃんと竜馬のことを知りたいなとも思わせてくださったので有り難かった。お芝居の熱も凄まじかったです。ちなみに、最後の面会で少しお話させていただきましたが、燃え尽きてらっしゃったようにお見受けしました。いやでもそらそうかなぁ。

慎太郎役、岡村圭輔さん。最後の竜馬とのシーンは見応えありましたね。何ならちょっとどういう心境で観てよいのかが分からなくて。竜馬共々殺められるって分かってるのに、竜馬との滑稽なラブラブを見せつけられて。慎太郎というキャラに無骨さと言うか柔らかさがない所を上手く演じてらっしゃったので、そのギャップで滑稽に見えたんだと思いますね。あとは、これはとんでもない余談ですが、その竜馬とのサシのシーンで岡村さんの脇が結構見えて、終演後の面会で初対面にも関わらず「脇毛薄いですね」と申し上げたら「何見てるんですか」と返されました。残当

いっちゃん役、柏木明日香さん。「独鬼」の時に男春をおやりになってて、私も完全に男性と勘違いしていて申し訳なくて。なので、壱劇屋さんのキャストの方の「声」で一番気になっていたのが柏木さんでした。今日お聞きできて良かったです。

八重役、高安智美さん。こちらも「独鬼」から気になってた役者さんで。個人的な印象ではありますが、乃木坂46にいた伊藤万理華さんと似てるんですよね。万理華ちゃんはお芝居が上手ですが、高安さんも女春が印象的で。こういった可愛い感じの方は演技が上手いのだなと思い3ヶ月が経って、本日。唯三郎とのサシでの絡みを満喫させていただきましたが、やっぱり上手かった。迷いがなく振り切ってますよね。

慶喜役、シーサー裕富さん。大政奉還のシーン、格好良かったです。もっと高ぶってたら泣いていたかもしれない。2時間20分の中で一番格好良かったなあ。

あやめ役、涼月優香さん。格好良かったのは先程でしたが、一番惚れたのはこちらでしたね。京言葉と女性特有のしなやかさですよね。ああいうのって稽古して出来るもんなんかな…。

語り部、こやまももかさん。語り部の中で一番声が出てて素晴らしかったです。まさかのフィジカル面で申し訳ありません。

 

思ったより感想を書いちゃいましたね。いやでもほんと、充実した大作でした。壱劇屋さんメインで観に行ったはずなのに、未来に通じる素敵な役者さんとの出会いもあり。思いがけず幸せでした。台風だけは本当に残念ですが、第2弾で発散していただければと思います。ありがとうございました。