さむのはてぶろ

テレビの感想とか書くやつ

2018/10/20(1) #恋の文 (劇団コケコッコー)

本日は演劇・イベントを3本拝見しました。その感想をば。

大阪福島はABCホールにて、劇団コケコッコーさんの「恋の文」を観てまいりました。10/20 13時の回ですね。

プリマ旦那野村「よくも悪くもウソつけない連中」主宰劇団の第2回公演「恋の文」(コメントあり) - お笑いナタリー

個人的に最近は演劇の比重が大きいですが、元々はお笑いが好きで。そしてその両方が満たせるイベントがあれば行くしかなく。特にここ1年ぐらいはプリマ旦那さんに興味が出てきた所で、何もかもがちょうどよいタイミングでした。

 

感想について、恥を忍んで早速人様の言葉を借りてみます。敬愛する是常さんのツイートより。

この「想像を遥かに超えて“演劇”」というのが大いなる共感ポイントでして。私もやっぱりどこかで「お笑い芸人さんの書くお芝居」という、悪く言えば偏見がありました。それが今回、ものの見事に打ち破られましたね。そもそも上演時間が2時間数分ぐらいの大作ではあるんですが、最初から最後までずっと演劇。しかも良質なお芝居。

観劇終わりに上記のナタリーさん記事を読みまして、そこで

「恋」の定義に気づきを得て、2年ほどかけて完成させたという。

という発見をする訳ですよね(リンク先記事より引用)。所要時間の長さからすると「2年の集大成」とも表現することはできます。そこで野村さんの本業ちゃうからただただ時間掛かっただけでは?と考えるのは野暮と即答できるぐらいには洗練された作品でしたね。

 

もう少し細かく触れていきます。というか触れさせてください。

最初のシーン、開演から最初の暗転まで。ここでヒロイン役の鮫島さんの「特徴」が判るんですが、実はそれ以外にも意味のあったシーンだったという。観終わって思い起こせばのっけから凄まじかった。

序盤。キャスト紹介的なことに終始。「終始」と書いたのは、笑いがほぼない点ですね。吉本コメディ感が一切ない、ひたすらに演劇。

中盤。いよいよ各人の背景などを活かした笑いがメイン。ドタバタは若干あるけどそこまでドタバタしてない。ドタバタもありながら緻密に計算された笑いもある。そして、思い返すと、笑えるのは序盤を丁寧に描いているからということにも気付く。クライマックスへの布石もちゃんと打ってある。 

終盤。いよいよ泣く所。私は3回泣きましたね。やられた。今までのジャブが的確に入っていたことがよく解る。ここで冒頭のシーンの意味合いに気付かされる。これだけでもとんでもない戯曲と思わされる。

ちなみに公演タイトルの「文(手紙)」を読み上げるシーンは1回だけ。手紙の内容は普通だけど、読んでる時は私は号泣してました。

 

次、役者さんについて。

座組は、俳優さんと俳優じゃない方が入り混じっていながら、全員が全員、お芝居が上手かったですね。個人的によく思う一つに「この演者さんの間があんまり…」というものがありますが、それが一切ありませんでしたよね。

八木役、野村尚平さん。何に驚いたかって、声ですよね。漫才の時の声が一切出てこず。そもそものお芝居が上手いだけに、漫才すらも実は「演じている」のかなとふと感じました。

文役、鮫島幸恵さん。ヒロインでかつ難しい役どころながら、見事に演じきってらっしゃいました。ああいう特徴がありながら多少気が強いのが健気で、最後になりゃそら泣かせるわな、と。あとは字が綺麗。

葉月役、佐々木ヤス子さん。佐々木さんのお名前と壱劇屋の大熊さんは知ってるけど、肝心の実物を拝見したことがなく、まさかこんな機会でお目にかかれるとは。ガチの役者さんながら、他の演者さんが役者さん並みに上手いので「隠れてる」感じになってましたね。しかしインプットできました。

剛志役、大西ユースケさん。熱い役柄と扱う方言がマッチしててよかったです。

ばあちゃん役、吉岡友見さん。最近は吉本新喜劇を観てないのでお初でした。こちらもお上手。脚本がそうなだけとは分かりながら、若者に戻ることがなかったですよね。桑原師匠などは男性に戻る時がありますけど。

河田役、洲崎貴郁さん。今回の座組で、最も印象が変わった方ですね。振り回される役が上手いのなんの。ラニーノーズさんのネタでも振り回されてますが、あれをそのまま芝居の舞台に持ってきた感じ。声もよく通ってらっしゃって。普通に俳優でも食っていけるんじゃないかな。

未子役、堀川絵美さん。今回も癖のある役で、その線においては手練感が凄いですね。安定。別のイベントながら、12月にもプリマ野村さんとのお芝居があるようですね。早速予約しました。

山崎役、伊丹祐貴さん。花束に差し替えられるシーン、お芝居の中で一番笑いました。

マリア役、樋口みどりこさん。改めての登場シーンで啖呵を切るようなシーンがありましたが、あの滑舌の良さは素晴らしい。そしてこのエントリを書きながら年齢を知りました。驚愕でした。役の年相応やと思ってた。ありえへん。すごすぎる。

チューゲン役、中谷祐太さん。大事な所で一回噛んでらっしゃいましたが、それ以外は完璧で驚きました。コンビではツッコミながら今回はよいボケ感で、何とも幅広い。

絵理役、辻凪子さん。緑のジャージズボンの上からスカートを履くのが、女子高生の感じが出ててグッドでした。

じいちゃん役、北野翔太さん。吉岡さんとの絡みなんかはやりきってて良かったですね。

 

物語の核心に迫った感想は削ぎ落としました。再演があるとアレですもんね。そう、再演を期待せざるを得ないぐらい、本当に素晴らしい作品なんです。マジで。3ステで終わりとかちょっと考えられないです。そして前売り2,500円というのも普通の演劇より安い。

アドリブやお遊びがおそらく全くない、本当ににちゃんとした芝居でした。落ち着いた芝居、笑える芝居、泣ける芝居。野村さんってこういうことがやりたいんだな~というのが見えた点でも面白かったです。

第3回公演、期待しています。ありがとうございました。