さむのはてぶろ

テレビの感想とか書くやつ

2018/11/04 ORANGE (theater PEOPLE PURPLE)

新神戸オリエンタル劇場にて、theater PEOPLE PURPLEさんの「ORANGE」を観てまいりました。11/4 13時の回。

 

100回以上も公演されている当作品。私は今回初めて観劇してきました。PEOPLE PURPLEさん自体も初めて。しばらく活動休止されていたそうですが当作品から活動再開とのことで、記念すべき公演に足を運べて良かったです。観劇のきっかけは、作品内容ですね。神戸在住としては観とかなあかんやろと。

前述の通りに今までの公演回数が半端ないので、ぽっと出の私が感想どうのこうのと言うのもアレなんですが…。お芝居そのものは公演を重ねているせいか非常に洗練されて無駄が全くありませんでした。笑える所は笑いに徹して、本線となるレスキューの場面は熱い想いが入り乱れ…。伏線などの巧妙な仕掛けは無かったんじゃないかな。でもそんなものは要らなくて、「想い」でお腹いっぱい。

そして、想いを受け止めると自然と溢れるのは涙ではありますが。泣きましたね。ボロボロ泣いた。泣かざるを得ないだろうなとは思ってはいましたけどね。ボロボロでした。セリフで個人的に一番グッと来たのは、震災発生直後の回想シーンでの桜井の「みんな助けたいんじゃ!」というやつ。葛藤の末の叫びという点が、もう。

あとは、これは完全なネタバレなんですけど、レスキューシーンでとある隊員が息を引き取るシーン。このシーンが存在することが自体が絶句モノですよね。この物語を紡ぐ過程で実際に神戸市消防局の方などへ取材を重ねていたという事実があるだけに。宇田さんに凄まじい覚悟があったことは容易に想像できますね。実際に出来上がった作品は、濃密な内容となり、またあらゆる消防やレスキューに携わる方々を労うメッセージ性も強いものに仕上がっていたのではないでしょうか。前説ではないのですが、上演前に実際に震災での対応のご経験もおありの神戸市消防局の方がご挨拶なさってて、この作品を観て報われたと仰っていたのも印象的でした。

 

偶然なのかもしれませんが…。私の周囲の方に阪神淡路大震災の経験をお伺いすると、関西人らしく「大変やった」というニュアンスは残しながらも面白おかしく話してくださることがほとんどだったりします。大変だったお話を明るく話してくださるのは、聞き手に気を遣ってくださっている証だとは思うのですが、それは本音かと言われると少しずれちゃうのかなと。(雑談の延長線で訊くからよくないのもありますが)

この作品を観て「大変だったという本音を引き出して、それを万人に観やすく加工してくれた」という価値が大きいよな、という印象を受けました。カーテンコールで「風化させない」と宇田さんが仰ってましたけど、こんな万人が心打たれる名作があるのだから絶対に大丈夫ですね。

今日もまた素晴らしい作品に出会えて本当に良かったです。ありがとうございました。