さむのはてぶろ

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2018/11/23(1) ハマったら出られなくなりまして (無名劇団)

浄土宗應典院にて、無名劇団さんの「ハマったら出られなくなりまして」を観てまいりました。11/23 13:30開演分。

テーマは自己喪失、無名劇団「ハマったら出られなくなりまして」 - ステージナタリー

無名劇団のハイテンション躁鬱喜悲劇「ハマったら出られなくなりまして」幕開け - ステージナタリー

 

初めましての劇団さんでした。観劇の理由はストーリーに惹かれたからですね。しかし軸となる「アイデンティティクライシス」というキーワードは終演後のアフタートークで初めて耳にしたかも。チケットを申し込んだ時は「単純に人が追い詰められる様をコミカルに観られるのなら観たい」ぐらいしか考えてなかったような気がします。

 

おもむろにナタリーさん記事(後者)を引用。

演出を手がける同劇団の座長・島原夏海は開幕に際し、「周りは私のことなんか気にしていないのに、私はいつも他人の目を気にして、他人を僻んで生きている。そんな病にかかっている自分を『面倒臭いねん』って、笑い飛ばしたくて、重いテーマを面白おかしく表現します。アイデンティティクライシスに陥る女を面白おかしく描く、ハイテンション躁鬱喜悲劇!」

何かにハマっている周りと、何にもハマれずアイデンティティクライシスという症状にハマっていた幸子。よいですね。話が終盤に差し掛かり、どんどん「沈んで」いってしまう幸子の描かれ方は、痛快な訳はなく、負の要素に取り囲まれすぎて逆に面白い。心は締め付けられるんですよね。自分も含めて二~三十代の方って多いんじゃないかな。血液型占いじゃないけど「そら誰しも当てはまるやろ」っていう要素の一つに最早昇格している現代病。そんな現代病を知って救われた!とは思わないですが、着目して笑い飛ばそうとしてくださった無名劇団さんには経緯を払うべきかと。

それとは別に、事前に情報はちょっとは入れていかないとダメだなって思いましたよね。何も知らない方が楽しめるはず!と信じて疑わず、今回もそのノリでお伺いして。で、うっすら涙が出る場面があったんですけど(終盤、由紀が亡くなってからママが幸子に謝る場面)、よくよく話の本筋を考えてみると泣くのはそこじゃないな感が凄かったんですよね。良い場面や演技であることには違いないんです。でも、なんか違う。今回は勉強になりました。

 

気になった役者さん。

幸子役、今井桃子さん。終盤の涙を流しながらの熱演。私は上手に座ってて、良い位置でした。演者さんが演技中に泣くのは本当にエモい。

勘助役、松尾充駿さん。よい明るさ、でも最後は不気味さもありつつ。そして、終演した後に元ビーフケーキということに気付く。遅かった。いい役者さんですね。

カンスケ役、泉侃生さん。変態感も良かったですが、カーテンコールでのジェスチャーゲームで敵ながら真っ先に回答してらっしゃったのが本当に本編の最後の世界観ぶち壊しで面白かったです。そういう意味ではゲストの金哲義さんもかなりの破壊王でしたけども。

亀吉・金魚役、東田萌希さん。声が好き!

 

何度も言うようですが初めてお伺いした劇団さんなんですけど、表方の運営に演者さんが加わっておやりになっているのが驚きでした。東田さんだったかな、開演前に動物メイクをした状態で物販コーナーにお立ちになってて。初めて見る人間からすると「これはええのかな?(ネタバレ的に)」と戸惑うんですけど、裏を返せば新鮮でもあって。開演前のバタつく時ですよ。頭が下がります。

衣装も凄かった。幼少期のメンバが妖怪をモチーフにした衣装で身を包んでて、それもめっちゃ手の込んだ格好でしたよね! 終演後のお見送りで加藤遥子さんが衣装とメイクのまま他の方のお写真に応えてらして、私も撮らしてもらえばよかったと後悔しました。

 

最後になりましたが、島原さんのTweetで好きな内容のものがあって、それを紹介して終わりにします。そら面白い作品になって当然ですよね。ありがとうございました。